「そろそろ敵の数も絞れてきたな。あと一息か。」
海斗は鉄パイプを握っていた手をダランと力を抜くとその場にしゃがみこんだ。
「あとは消えた6人をさがしてここからの脱出方法を考えればいいだけかな。」
みかも海斗たち男子陣と合流し休憩していた。

クスス・・・アハハハ・・・

どこからか笑い声が全員の耳に入った。
「海斗、この声に聞き覚えあるの全員だよね。」
「あぁ、認めたくないが「あいつ」は死んだはずだ。いまさら声が聞こえるなんてことは無いはずだ。
 全員疲れてるんだ。きっと・・・
 あいつは死んだんだよ。」
集団で悩んでいるところに美空と綾香が来た。
「あの・・・今の声聞こえた?」
「海斗も認めたくないみたいだけど・・・ここで悩んでるってことは聞こえてるみたいね。
 美空も綾香もいままでどこに?怪我は?大丈夫?」
親身になって心配してくれる美香は心強い味方である。
「怪我は・・・ぜんぜん大丈夫。それよりも皆のほうは大丈夫?
 私たち少し化け物に警戒しながらここまできたから・・・みんなの状況わかれてなくって・・・」
美香は元気に笑顔を作って見せた。
「大丈夫。・・・ただね、6人。カップルたちが消えたの。
 急だったから皆気づけなくって、そのときにも少しだけ悠佳の声がしてたの。」
美空と綾香は決心したように見つめあい、

「皆、聞いてほしいの。
もしかしたらこのみんなの、私たちの置かれてる状況の原因って認めたくないけど『悠佳』じゃないのかな?」
皆も動揺しているがすぐにきっとそうだと思い反論も一切無かった。ただ、一人を除いては。
「海斗・・・ごめんなさい。でも、おかしいよこの場所にも悠佳はいないし。
 よく考えてよ、たまに聞こえる声だって悠佳のものだもの。」
海斗はその場にうずくまり困惑している。


「ちんたらしてずっとうずくまっててさ・・・ハッ!!やっぱり皆には人柱になってもらうしかないみたいだね。
ほんとにクズでグズでオママゴトですかっての。」

急に現れたのは真っ赤な服に身を包んだ「悠佳」の姿だった。
「でも、見直したよ美空、綾香。
 すごいね、ちゃんと推理して私が犯人だってつきとめてくれた。うれしいよ。」
美空は一歩前に出て悠佳の目をみて話を始めた、その行動は他の皆に口を出すなと言っているような行動だった。

「悠佳、生きててよかったけど人柱ってどういう意味?それと、消えた6人はどうしたの?」
「美空も生きててよかったよ、私の配置した駒に殺されなくって。
 あぁ、人柱は意味のままだから。死んでもらうって話。
 ・・・クスッ、それと6人のバカップルたちは確かに助けてあげようかと思ったけれど・・・殺しちゃった。だから、もうこの世界にも存在してないよ。」
「殺した、死んじゃったの。
 あなた自分がなんてことしたのかわかってるの?!あんた人殺しをしたのよ!!
 本当に馬鹿じゃないの!!」
美香が暴走し始める、皆が取り押さえようとしてもなかなかとまらない。
「うん、殺した。確かにこの手で殺したよ。魔法でもなく自分の自らの手で、ね。
 でもあなたたちは自分の手では殺してあげない。どうやって殺すかは考えるよ。
 ・・・あぁ、ひとつだけ教えといてあげる。今とっても機嫌がいいから。

 あの6人は最初の人柱であり、自分の大切だと思う人を自分の身代わりに死なせたクズだった。
 クズは死んでいいと思ったからころした、その証拠がこの真っ赤できれいなドレス。
 すっごくきれいでしょ?妖精のレッドキャップもびっくりするわね。」

全員想像しただけで吐き気がした。
死んだものの血で染めたドレスを着て笑う奴の気が知れない。

「美空、綾香・・・お願いだから、こっちに来て。
 私ねいくらなんでも貴方たちを、親友を殺したくないの。殺したらまた私が壊れちゃう・・・絶対に壊れちゃう から、逝かないでほしいの。一緒に来て、この手を握っていて。」
悠佳は手を伸ばし握ってもらえるのを待っている。
美空はその手をはじき返した。
「私は皆と一緒にいる。貴方とはもう一緒にはいられないから。
 いられないんじゃない・・・もう一緒にいたくない。だから、皆をここから逃がして!!」
悠佳ははじかれた手を握り締め下を向き一滴の涙を流してから宙に浮いた。

「いらない、私は大切なものを全てを、ここで手に入れる。貴方たちが正義の味方だというのなら私は悪役に喜んでなる。
全部を、美空と綾香という大切な親友のために使ってあげる。だから、私を悪の最低最悪の悪に堕ちきった私をみんなの手で忘れないように、もうみんなの記憶からなくならないように殺して!!

リヴァイ、メメ、ネリネ!!私たちはこれから悪の最高の最悪の悪になる。
そのために3人の力を貸して!!

正義の味方が一番際立つのは、悪役が最高に輝くとき。
それがこれからなの、全部準備は整ったから・・・皆で怒りや憎しみを私に向けて殺しに来て。
最高の舞台にするの!!


それじゃあ、さようなら。美空、綾香。
ずっと・・・・・・・      だよ。」

悠佳は最後に涙ぐみながらも言葉を残しきりの中に消えていった。
その瞬間に全員は心を一つにして悠佳を倒すことを決めた。







はぁい、なんだろ・・・ずいぶんと間が空きました。
急展開ですみません。でも・・・自分もこの小説をまた最初から読み直しました。
いやぁ、意味不明ですね(笑
まぁ、これからは少しずつでも更新したいからまた応援よろしくお願いします。
では、こんかいはこれにておしまい。